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2009年07月27日

F君の思い出、パート②


F君の話では昔にこんな事が有ったから高校でクラブに

入ったと、以前の同窓会で話してくれました。それとは・・

中学の頃の英語の授業で

何時もシェークスピアなどを朗読し、あとで解説までされる

熱心な男の先生がおられました。

時には涙を流し、その感激を私たちに伝えて下さいます。

流石に 「ロミオー、ロミオー」 の時だけは閉口しましたが。

ただ、その感激が人に拠っては違うものだと感じさせて

頂いたのもこの先生でした。

最近の、何も感じさせない教師とは大いに違う所でしょう。

良きも悪しきも何かを訴えて下さる のはやはり有り難い事です。



夢は寝てから見ろと言われますが、起きて見る夢も有ります




ある日の授業でプリントされた英文を次回まで和訳してくるよう

宿題を出されました。

悪童の小生は何もせずに、当日にクラスの連中の宿題を写させて

貰っておりましたが、色々な訳が集まり、どれが正解か分からずで

これは、答えを 先生が回答されるまで楽しみ と思ったものでした。

そして英語の授業になりまして、結果を先生が話されますが、曰く

●昔、イングランドとウェールズの伝統的なラグビーの
定期戦は、両方の熱狂的なファンの中で、選ばれた誇り高き
選手たちが命懸けで戦った有名な試合なのですが、ある年の
試合ではイングランドの選手の反則を得て、ウェールズが
勝ちました。

その時に反則を犯したイングランドの選手の落胆や、ファンの
怒りは相当なものだったそうです。

何年か経ち、第一次世界大戦に参加した英国はドイツと
戦いましたが、ある戦場で、敵弾に倒れた英国兵に戦友が
「何か言い残す事はないか?」 と尋ねました。

虫の息の兵士は
「実は自分は、対ウェールズの第何回のラグビー定期戦の代表
だったが、あの試合で自分は決して反則は犯してない。審判の
ミスジャッジだったのだ。

しかしスポーツマンとして自分は、決して意義は唱えなかったが、
最後の言葉として君に聞いて貰った」

この様に美しいスポーツマンシップや、フレンドシップという
気高い魂を持って人間は生きて行きましょう●


この様な和訳をされて自分でも泣き出さんばかりの感激を
私達に伝えて下さいます情熱的な先生でしたが、

生意気な15歳の私は、

「先生、違うと思います。この英国人は変です。日本人だったら死んでも
言わないのと違いますか? 死ぬ間際まで言わなかったのと、
死んでも言わないのとはどちらが魂の問題ですか?
英国と日本では魂の差はあるんですか?」


隣には F君が座っていて、ニヤニヤしながら見て います。

「こら!お前だけは何時も屁理屈を捏ねおって、分からん奴ちゃ!
どちらでも穢れの無い志が有ればそれでええんやー!」


何時もこんな調子で先生に怒られるのですが、F君はその時の事を

今でも覚えていると言い、高校でラグビー部に入ったのも

「案外とそれが影響してるぞー」 なんて言ってくれました。

F君の葬儀の際に、一人娘のご主人もラガーマン と聞きまして、

きっと良い魂の持ち主で有ろうと念じる ばかりです。





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Posted by 旅の途中 at 09:02Comments(0)旅の途中

2009年07月27日

F君の思い出、パート①


今春に同級生のF君が亡くなりましたが、

ウトウトと昼寝の中で夢を見ました。



快食快眠ですが、昔の夢をよく見ます。
きっと歳のせいでしょうね。



F君は高校から大学までラグビー をやっておりまして、

どちらが縦か横か分からない様な良い体の持ち主でしたが

米国ではその様なタイプを「冷蔵庫」 と呼ぶらしいです。

もっとも「冷蔵庫」とは、スラングでは用心棒の事 らしいですが、

家庭でも冷蔵庫はその家の用心棒 ですから面白い仇名ですね。


我々の中学ではクラブが無く、高校からラグビーを始めた ので

キャリアの有る連中との中でF君は結構苦労した様です。

一人娘の結婚後、一年も経たずの他界で孫の顔も見れず

残念だったろうとは思いますが、急な心臓発作でアッと言う

間だったとの事でした。


同窓会などで顔を合わして話を聞くと、トライを上げる様な

格好の良いポジションではなく、何時もスクラムの最前列で

歯を食い縛ってプレーする との事でした。

ラグビーを始めてから最後までそんな調子 だったのでしょう。


最後に会ったのが5年くらい前 で、四条河原町の辺りで飲食店様に

厨房機器の搬入で立ち会っていた時です。

何か見た様な奴が歩いて来るな、と思っておりますと

F君 「よう!」

小生 「どうや!」


二人とも何時もの通りの阿吽の呼吸です。

夕刻過ぎですから部下と一緒に何処かへ行くのでしょう。

F君 「えらい事やっとんなー」

小生 「おう、力仕事よー」

お互い「それじゃーまたな」


これが F君との最後の会話 となりましたが、

印象に残っているF君との中学の思い出を次回でまた

思い出したいと思います。





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