京都の厨房機器屋オヤジの日記

私は昔からポインターファンですが、

猟友の中にはセターが好きな人も多いです。

しおらしさを滲ませてはおりますが、中々頑固な犬種です。




ボチボチ毛を刈る域に達した猟友のセターですが、
奥様も大変可愛がっておられる為に中々毛を刈る
事が出来ないと嘆いておられます。


ポインターは荒々しい感じがしますが、性格はとても愛らしく

明るい性格です。

猟欲が強く、気力溢れるセターはイバラの中でもガンガンと狩り、

体中にイガイガを沢山付けてしまい、足の又の裏側に引っ付くと

痛くて動けません。

それ故に　良いセターは体中の毛をバリカンで刈って　猟に

臨みますが、セター特有の長い毛を尻尾だけ残します。

ポイントした時に、その尾の長い毛が風に揺れているのが　とても

エレガンスで、セターファンはそれを　｛メリー・テール｝　と呼び

心の底から愛でる　のです。




ある日の朝一番の獲物の鴨と雉ですが、
雪の残る足元ではポインターは足から血を出しますが、
セターは指の間にも毛が有り、足裏を切る事が
有りませんので、猟場に依り、使い分けております。


もっとも猟に使えない様なセターでは毛を刈る必要は

何もない訳　で、家でも猟場でもエレガンスなままですが、

玄人好みの渋さは全くなく、愛玩犬の様なもの　です。


























  

今年の猟の申請書類が例年より一ヶ月も早く来ました。

たった三ヶ月の狩猟に税金や猟友会費、保険、諸々で

３万７～８千円も必要です。




害獣駆除ですか？　撃ちたくないものを
撃つのは嫌なものですよ


福井県へ出猟するだけの金額でこれですから京都や滋賀県も

申請するとなると大変です。

しかしこの金額が自然の整備や自然鳥獣の育成、保護に役に

たっていると思えばお安いもの です。

ハンターを目の仇にする方や、野性鳥獣保護を唱える方も

私ども同様に色々と原資を集めて保護活動されれば良いのにと

何時も思います。

保護、保護と語るのは簡単ですが、皆さんご存知の様に琵琶湖の

鵜や街のカラスにムクドリ、はたまたお山の猿に鹿、おまけに猪や

アライグマなど、害を及ぼす者や、その被害、苦しみに対しては何も

言わずに、その為の害獣駆除だけは、何時も目の仇にしている

ハンターに丸投げでは如何なものでしょうね。

私の古い猟友で田舎の方でしたが、忙しい畑仕事のシーズンでも

地元の林務課からの要請で害獣駆除に出なければならない、

ましてや　相手が猿なら絶対に嫌！　と皆は言います。

だからジャンケンをして、負けた者が行く　訳ですが、自分が負けて

しまい、駆除に出かける前の晩に考えた末、今から鉄砲を警察に返し、

狩猟免許は林務課に返納しようと思い立ったが、

「責任だけは果たそう」　と翌日にお猿を撃って、その日に猟を

やめられました。　狩猟歴４０年のベテランでした。

どんな駆除だったのかは長い間語られませんでしたが、

「母猿は小猿を庇うね～、何故自分が猿を撃たねば
ならないんだ、それが口惜しかった」　

と２０年ほど前の酒の席でポロポロっと泣いておられましたが、

いまでは鬼界に入られて久しいです。