業務用製氷機

旅の途中

2009年06月21日 01:54



大型から小型まで四角い氷のキューブアイス


暑いねー!」と お得意様の大将が

ジャラジャラと余った氷を捨てながらしみじみと

「若狭の、今でも田んぼと畑ばっかりやけど、

小さい頃に同級の転校生が来て、わしと姉と一緒に

三人で汗をたらたら垂らしながら家へ帰るんやが、

わしの家には冷蔵庫など無いもんで、夏に氷など

見た事もなかった。

しかし、そいつの家には冷蔵庫が有って、何時も寄ると

おばさんが冷たい氷水をくれるんよ」

へーえ、命の水やね。

「一気飲みしてお代わりのあとはコップの氷を頬張るんよ。

すると両手に氷を一杯持たせてくれて、それを舐めながら

田んぼの畦道を姉と二人でまた帰るのや」


遠くを見つめる様な顔をしている大将が、

「今は氷なんか、製氷機でガバガバと出来るから

どうって事はないけど、わしは貧乏性なんかなァー、 

なにか勿体無い気がするのや」


冷えたグラスの中で溶けていく氷を眺めながら

「言葉では言えませんが、寒い日は温かいもの、

暑ければ冷たいものとは当たり前ですが、ボクらも

小さな頃はそんな贅沢も出来ず、大将と同じ様に

勿体無いと思いますよ・・」

心の中ででボクは呟いておりましたが、溶けて消えていく

氷の儚さの中に小さな頃の事が、おぼろげながら

グラスの底に映っております。

やっぱり歳かなァ・・・・


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