松茸
京北美山の奥深く、
春は山菜、夏は鮎、秋は松茸、冬はぼたんと
美味しいものをたべさせて頂くお得意様がいらっしゃいます。
元々は京都のお金持ちで、感じる所が有っての山暮らしですが、
お料理ともてなしが好きで始められたお店です。
山深い美山で、ついでに猟犬の山鳥訓練です。
松茸はやれませんが、美味しそうなソーセージを
ご相伴しておりましたお嬢ちゃんです。
予約をしまして松茸を食べに参りましたが、
当日にやっと二本だけ採集人のお爺さんが始めて採れたと
持って来られた地山松茸でしたが、
一本! なんと3万八千円でした。
一本だけ料理して頂きました。
あまり高いので恐縮されてましたが、仕方が有りません。
囲炉裏を囲み4人で、鳥好きに入れて食べていると
自分の採った松茸のお味が気になるらしく、お爺さんが
土間で一杯やりながら、
「今年は中々採れんで、今日まで(まつだけ)やった、へへへ・・」
どうも洒落を言っておられるらしいのですが、その時は判りません。
「今日やっと山の中から(随分まったけ)て声が聞えたんや、ワハハ・・」
この下手な駄洒落で旨い松茸がプッと口から飛び出し、大笑いです。
「上がって下さいよ!お爺さんが採って来られた折角の松茸を
一緒に食べましょうよ」
「いいや、初もんは客が食うもんや、ワシらは豊作の時は
昆布と炊いて、毎日の茶漬けか酒のあてやで、どうや、美味しいか?」
「旨いですよゥ」
「それが聞きとうて今まで待ってたんや」
「(まつだけ)にならなくて良かったですね」
美山の夜は深まり、酔いも回ります・・・
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京都紫野厨器特販
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