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2009年07月17日

祇園祭りの宵山で


幼少に母が亡くなりまして、

父と二人の永い二人暮らし でしたが、

ある歳の宵山で、父が私に 鉾を見せに 連れてくれました。

足の踏み場も無い様な人ごみの中を、肩車 してくれて

父はドンドン歩いて行きますが、私は小さいので父の肩で

こっくりコックリと舟を漕いで おります。

子供はすぐに眠くなり、 「もう帰ろう、帰ろう」 と愚図っておりました。

祇園祭りの宵山で

親父も生きていればこうして猟場を二人で歩けたのに



そのうちに眠ってしまったのでしょうが、目が覚めますと

今で言う ラウンジかクラブ(小さな)のボックスで横になって おります。

横で父が 綺麗な人と話をして おりました。

気が付いた私を見て、その綺麗な人が、 「鉾は面白かった?」 とか何とか

ご機嫌をとってくれますが、またまた 「うちに帰ろう、帰ろう」 の始まりです。

愚図っているとクラークでしょうね、 フルーツの盛り合わせを「どうぞ」

にっこり笑って持って来てくれました。

しかし、愚図りっぱなしの私はそのまま、また眠ってしまいまして、

目が覚めたのは翌朝 でした。

幼いながらの私でも昨日の事は覚えておりまして、拙い記憶の中

あの綺麗な人がその後、我が家に来て、ご飯を何回か作ってくれた事

おぼろげながら 思い出す のです。

今から思えば、大人の遊び場に子供を(それも幼少の)連れて行くほど

野暮な男では決して有りませんでした が、あの時の事は

「一体なんだったんだろう?」 

「その後、あの綺麗な人は来ないし、見ないぞ・・・」

まったく、深く考えますと 知恵熱が出そうな 親父の話です。

今年も宵山 です。

この時期は、一回だけ 「野暮を通した」 親父を思い出しますが、

これには後日談が有りまして、親父の死後に親類連中から聞いた

話は泣かせます。

機会が有ればまたお話して見たい物ですが、

親父も時効 で許してくれるでしょう。




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Posted by 旅の途中 at 00:02│Comments(0)旅の途中
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