京都の厨房機器屋オヤジの日記

お盆が過ぎまして、あと三ヶ月で狩猟シーズンに突入です。朝夕が涼しくなりまして猟犬の訓練に熱が入りますが、

猟友の愛犬たちとの毎年の顔合わせも楽しみ のひとつとなります。

勿論、猟犬には色々の犬種が有りまして、それぞれの特技や特徴、

はたまたその際の狩猟の形態や獲物の種類により使い分けます。

何十年、何百年もかけて我々の先輩ハンター達が改良し、守ってきた

素晴らしい 使役犬 たちです。




お嬢ちゃん、どうしちまったんだい？おやおや耳から
血が出ちまってるじゃないか、よしよしオッチャンが
薬を塗って上げような・・・　何時も優しいF氏ですが、
セターもきっと言ってます　「お名刺を・・」


しかし悲しい事ですが、違う犬種の犬を同時に飼育しております際に

常に気を付けてはおりますが、違う犬種同士で気が付かないうちに

交尾し、子犬が産まれる事が有ります。勿論めったに無い事ですが。

牡、牝ともに勿論純血種ですが、生まれる子犬は 雑種 となります。

我々はその子犬たちを　｛ドロッパー｝　と呼びますが、猟には使えません。


何が根拠か、一代雑種は優秀と言う方がおられます（ハンターでは無い方）。

両親共に狩猟には最高の純血種ですが、ドロッパーになりますと両親の

良い所はひとつも引き継がず、欠点のみ遺伝しております。

最大の要求点のポイント能力や、猟のために必要な肢体や体格、

狩り込みの猟欲や気力、ランニング力など、すべて駄目です。


その為に、気が付かずに子犬を産ませてしまったハンターは皆から

注意を受けるだけでなく軽蔑もされ、

「愛犬家の風上にも置けない奴！」

との烙印まで押されてしまう有様です。

「長い時間をかけて猟犬の長所を伸ばし、短所を改良して来られた
我々の大先輩達にどう言い訳をするつもりだ！君はこれから犬を
使う猟はやめろ」

一般ではご理解出来ないかも知れませんが、これほどの意見も出ます。

自分の悪口を言われても笑っていられるハンターが、犬の悪口を

言われると大喧嘩になるほどですから家族以上の宝物なのです。

これほどの事ですから悲しい、心のない結果がどうしても

口惜しく、許せないのです。


ご理解頂きたいのですが、これもひとつの愛犬家の一種のスタイルです。

猟犬として素質が有るか無いかのチャレンジも出来ない子犬を

生ませてしまった悲しみと、それに対する怒りなのです。




いい年をしまして自分の犬の自慢話しかしません。
三国まで訓練に参りまして、俺が、オレが、の大合唱です。
まさに北陸でのオレオレ大会になりました。


最近よく新聞広告やテレビなどで ミックス犬 なるものが現れ、結構な

金額で販売されてる様ですが、これもやはり気づかずの交配か、

もしくは全ての愛玩犬の種類は出回っているので、珍しいものを作って

売らんが為に わざと雑種にして産ませておりますのでしょうか？

もしそうなら愛玩犬の世界にはひとつの確立した犬種を作られた

愛犬家の大先輩方に対する尊敬などはないのでしょうか？